帰去来、そしてブログ閉鎖

casa_kyojin2004-12-31

今年も12/30から数日間、スノボ合宿(昨シーズン→ 03/12/3004/01/03)の話を書くつもりだったのだけれど、日記どころか予定が何もかも全部変わってしまった(それどころか、このことをきっかけに社会生活全般にも見直しや縮小の影響が出ることになった)

一年の計はナントヤラとか言うけれど、一日早い分、ちょっとだけ鬼に笑われることになるのかもしれない。


さて、今回も去年と同じように29日に出発、到着した30日からスノボ三昧という予定だった。
東京から出かけたメンバーは、去年も一緒だった4人に新しく8人が加わった大所帯に。
車もSUVワンボックスステーションワゴンの三台とずいぶん大掛かりになった。

去年の「合宿」は、高校の同窓生三人が、これもまた同窓生の家に遊びに行くという企画に、その同僚と友達(僕)が加わったものだった。
それに今年は、やはり同窓生2人と、その友人たち6人のグループが加わった。去年も参加した同窓生の一人が、音楽関連のイベントなどでつきあいのある後輩や友人をまとめて8人連れてきた、ということのようだった。


ところがその8人、そろいもそろってなんとも“困った”人たちだったのだ。


どうもそのイベントというのは、レイブのようなものらしい。
車の中でテクノ? ハウス?(知識が無いからわからない)をかけて踊ったり叫んだりするのはその車の持ち主の趣味だからまあそういうものにしても、宿泊場所の山小屋でも大音量でそれ系の音楽を流し続けるのにはまいってしまった。

あげくの果てには小屋の大黒柱を楽器のようにガンガン叩き始め、小屋全体が震える大音量と低周波騒音をまき散らす始末。

そんなメチャクチャな状態を「非常識」と思うのは、ごく真っ当な感覚だと思うのだけれど、その学校の同窓生にとっては「無問題」らしい。
たしかに、レイブチームの方が人数が多いのだから多数決で負けているし……というのは笑えない冗談にしても、彼等の5つも6つも年長の先輩たちが黙っているのだから、部外者としては何も言えない。

レイブチームの中に、とにかくやたらとお行儀が悪く、香港映画に出てくるチンピラのようなくわえタバコ、キチガイのような甲高い笑い声と、下品さのステレオタイプのような女性がいたのだけれど。
彼女の蓮っ葉なルックスや言動は、どこか元m-floのLISAを思い出す。


■LISA「LISABEST−misson on earth 9307」


そして案の定──そんなストレインジネスにありがちな「帰国子女」だったのだ。

もちろん、ベタな日本人よりはよほど真っ当な人が多いのが帰国子女、という傾向もそれ自体として一方にはある。それは強調しておきたい。
でも、こんな風にいい歳をしてマンバや場末のキャバ嬢のように暴れている人がいるから、一人見つけたら30人いるのが「帰国子女」ということにもなってしまうのだろう。

でも、スノーボードというもの自体、そもそもそういう“スポーツ”なのかもしれない。
折り目正しい地方公務員よりも、レイブでテクノでヘビースモーカーの人たちがバカ騒ぎをするのが似合う遊びのような気もしてきたぐらいだ。


四の五の言うのが面倒なので、荷物をまとめて帰ることにした。
幸いあと数時間で新幹線が動き出す。

スノボに対するモチベーションはすっかり消滅。もう道具も見たくないし話もしたくない。ボードケースを持った人とすれ違うのも嫌になった。

ゼロ泊三日でゴンドラ1本とリフト3本に乗っただけ。なんてすばらしい旅行なんだ!
今後の生活にもいろいろと影を落とすことになるグレートジャーニーを、よりによって大晦日に経験することになるとは、痛いくらいに悲しいことだった。


でもこれは、若ぶって10も年下の連中と一緒にスノボに出かけたことに対する、一つの因果応報なんだろう。
「年甲斐も無く」なんて表現は嫌いだったけれど、事実としてそういう場面があるのだな、と思い知らされた。同世代以外の人と過ごす時間には、ある種の恐怖を感じるようになった。

世代差や環境差があったら、いくつかの話題を共有しているくらいでは、よい関係が持てるとは限らない。
どうも僕は、人間同士の関係性や、他者との協調といったことに、絵空事のように野放図な楽観論を持ちすぎていたようだ。

これを機会に、リアルワールドでも、バーチャルな場所でも、自分の属するコミュニティの縮小と再構築をすることにした(その一環として、当時運営していたblogは、この日のエントリーで閉鎖した)

周囲の人たちとのリアルな関係性についても、見直すことにした方が良さそうだ。
とりあえず、どこにでも口をつっこんだり、足を伸ばしたりするクセは、もう止めにする。

今回の旅行の唯一の収穫は、ユニクロの機能性衣料のコストパフォーマンスの高さだった。

ブレスサーモは、5,000円以上払っているのだから暖かくないと暴れ出したくなるけれど、バーゲンで790円のユニクロのインナーがこれだけ暖かいと、これを重ね着した方がいいかな、とか思えてしまった。だって、軽いし薄いし(そして安い)

後日付記──じつはこの旅行、当時の連れ合いと一緒に出かけていた。
彼女は高校の同窓生チームで、帰国子女のセンパイの一人だったのだ。

そして、彼女は岩手に残り、何日もかえってこなかった。

それから、彼女と別れるまでは一年とかからなかった。