ビジネス=カネ、以上。
一応は連載をしていて、それも記名原稿の記事だったのに、メール一本で「打ち切りで〜す」と届いた死刑宣告。
Webメディアの世界の人は、そんなことを平気でする。
今回は、まだそうやって知らせてきただけマシ。
以前は「連載終了です。私も本日退職します」というメールが一本来ておしまい、なんてところもあった。
それでいて、IT業界は、やたらと契約書の書式にだけはうるさい。
人と人との機微には無頓着というか、積極的に無視してかかるけれど、とにかくカネのことだけは気になってしかたがないんだろう。
どうもITな人たちには、他人とコミュニケーションをとることが苦手というか、コミュニケーションなんてこの世には必要無いと思っているような節がある。
例えば大至急の確認事項があったとして、ほんの一言の電話をケータイに入れてくれたらいいものを、自宅のアドレスにメールをよこしただけでそれっきり。
パソコンのアドレスだから、開封できるのが翌日になってしまったりすることも普通にある。
なのに「すぐ返事をよこさないからブツブツ……」とか言われても、それじゃあただの嫌がらせみたいなものだ。
そんなコミュニケーション拒否症のような人たちは、当然のように年賀状の返事なんて寄越しはしない。
珍しく返事があった! と驚いたら、その人は間もなく退職してしまった(そして、転職先は知らせてなんかこない)
画像は、IT業界のイコンとしてのホリエモンなんだけど、意外といっては失礼にしても、ライブドアの人たちに関して言えば「かなりきちんとしているな」という印象を持っている。
残念なことに一緒に仕事をしたことはないのだけれど、その手前くらいまでにいったとき、しばらくやり取りをしていたことがあった。
例えば、担当者の外出中にオフィスに電話を入れたら、出先まで伝言がきちんと伝わり、外からでも連絡がある。
連休明けに読んでもらおうと、週末にメールを入れておいたら、その日のうちに自宅から返事があったりもする。
クリエイティブの現場に限らず、そういうのは何も特別なことじゃないのだけれど、IT業界の中では、例外的にキチンとしているな、と思った(他がひどすぎると言ってしまえば、それまでだけれど)
だからといって、一連の騒動に対するライブドアのやり口が「キチンとしている」とは全く思ってなんかいない。
拝金主義やコミュニケーション不全という「IT体質」はバレバレだろう。
ただ、例えば楽天の三木谷社長なりとくらべたときに、ホリエモンその人はファッションだとか語り口、体脂肪率などなどのアピアランスで損をしている部分が多いだろうな、とは思う。
何も「本当はいい人なんだろう」と言いたいわけではない。
三木谷社長の方がもっともっと悪いヤツかもしれないのに、そのへんをうまくカモフラージュしてスマートに見せているな、と。そういう努力をしているな、ということだ。
さて、一般ユーザとしてライブドアのサービスを利用したときに思うのは、「重い!」の一言だったりする(これでもずいぶん改善されてるけど)
でも、あるサービスのユーザーサポートと何度かメールのやり取りをしたとき、ライブドアの担当者が「2ちゃん語」まじりのメールを寄越したのにはまいった。
本当に意味がわからなかったので、後から共通語で解説してもらったので(本当)、やっと意味は伝わったけれど──ライブドアの中の人も、結局はそんなものなんだな、と思った出来事だった。
個人的には、それだけでフジサンケイグループがライブドア化することには反対。
だって……ねぇ。
去年、アメリカの大統領選の少し前、アメリカである輿論調査があった。
1.自分の会社をまかせるならブッシュ? ケリー?
2.週末のBBQパーティーに呼びたいのはブッシュ? ケリー?結果は、圧倒的に1.がケリーで2.がブッシュ。
ブッシュとケリーをホリエモンと三木谷に置き換えても同じような結果になるんじゃないだろうか。
白馬の騎士ねぇ……フジサンケイグループの人たちは、多分「定見」なんて持ってなかったんだろう。