「エントラップメント」★2/5

レーザー光線が……とか、監視システムが……みたいなリアリティへのこだわりが、かえって物語のノリやドライブ感をスポイルしていたような気がする。

ショーン・コネリーのシブさをもっと全面に押し出して、もっとシンプルにカッコよくて、スカっとする作品にしておけばよかったのに。



でも、舞台になったKL(クアラルンプール)は一度行ってみたいところです。

「24」のシーズン1も冒頭で登場……したよね?

かつて、「惑星ソラリス」の未来都市が当時の東京の「首都高」だったみたいに、東洋の近代都市にはある種宿命的ともいえるエキゾチシズムがまとわりついているようだ。


もっとも、文化の移入や消化、昇華というものは、どうにもそういった地平にたどり着くものなのかもしれない。

土木建築とか都市工学とはずいぶんと違う畑の話だけれど、日本人の大半はアメリカやヨーロッパの「ヲタク」たちに大なり小なり違和感を感じていると思う。

そして、同じように欧米人が東京の町並みを見て何を思うか、とも考える。
外国人観光客が、「え?」というような場所で足を止めて写真を撮っているところを見かけるたび、思うのはそんなことだ。


■「エントラップメント」