岩手スノボ日記 3

casa_kyojin2004-01-01


こたつから布団に移動したのはかろうじて覚えている……なんてとこからほんのちょっとしか時間が経ってないような気がする元旦。
今日もゲレンデに出動! なのでまだ眠っていたいのだけれど、一応はお正月らしいこともしなきゃ、といった感じで早々に目を覚ます。

お雑煮やなます、煮豆。それから焼き餅なんかで、ちょっとしたお正月膳。


NHKでは朝から「新選組!」の前宣伝番組。
隊士の羽織の質感が上質なのに驚く。やっぱりハイビジョン対策なんだろう。
でも、全体としては「?」な感じ。キャスティングのことは置いておくにしても、三谷幸喜もちょっとヤリ過ぎなんじゃないか?

もちろん、彼流のドラマ作りに期待されているのは、シチュエーションコメディー的おもちゃ箱かもしれない。
いままでも、警察や、フレンチレストランが舞台だからといって、それらのリアルな描写を期待した人はそういなかったと思う。
だからといって、近藤や土方が江戸にいた頃から坂本竜馬と交流があったなんて設定は、ちょっとヤリ過ぎ。
歴史ドラマを期待される部分の大きい大河ドラマでそれをやるべきじゃないし、三谷ドラマとしての新選組は、そういう足枷の無いところで見てみたかった。
もっとも、大河で『竜馬におまかせ!』バリに暴走してくれるなら、それはそれで面白いと思う……絶対見ないけど。


午後からゲレンデに出発。雪の無さにコリたので、今日も安比へ。
ゲレンデはまあ快適。アイスバーンもいくらかあったけれど、「エッジに乗る」感覚がだんだんつかめてきたようだ。
筋肉痛のピークはどうやら昨日だったらしい。今日はむしろ体が軽い。
一般に、初心者は左ターンの方が得意らしい(左足が前のレギュラースタンスの場合)……というか、初めてレッスンを受けた時は自分もそうだった。
でも、まともなゲレンデで滑りはじめると、どうも右ターンの方がスムーズにきまる。かなり無茶な突っ込みをしても、山側にググッと深く前傾して、グローブで斜面をパンと叩いたりしてみたりもできる。
ところが、右ターンになるとどうもいけない。背中側に倒れていってターンするのがどうしても怖い。そのへんは、スキー経験が足をひっぱっている部分なのかな、とか思う。


今日は二度目の黒石温泉に寄ってから帰る。

帰宅してからの晩ご飯はカレー。まさにスノボ合宿ノリ。
食べた後は、カルタや百人一首、ウノで「正しい」お正月を過ごす。
ウノは「早出し」、「ドボン」アリのローカルルールで。
帰国子女のLくんが「アメリカ人にドボンを説明するのが大変でさぁー」と説明するのが妙におかしかった。

北海道の百人一首」は「下の句を読んで下の句をとる」、「取り札は木札」、「3人同士のチーム戦」といった説明をどうにも理解してもらえない。
読み札係をずっとやっていたら、腹式呼吸の大声をずっと出していたせいか、じつに気持ちよく酔っぱらう。


■百人一首 板カルタ


外が氷点下前後ということで、窓の外が冷蔵庫。雪が積もったトタン屋根の上に、6パックがいくつも並ぶ。背の低い女の子がそれをとろうとして、手を滑らせる。下に落ちた缶は拾いに行くけれど、途中の雪にひっかかったのはどうにも手がとどかない。
無事だったのは発砲酒やチューハイ。ビールはことごとく穴が空いてご臨終(写真)っていうのはマーフィーの法則だね。

家の外に出て空を見上げる。オリオン座が大きく、大きく、中天にある。スバル六連星がはっきり六つ見える。
これまでの人生で経験した、いろんな年の瀬と新年を思い出し、少し泣きたくなる。
これからは、年末年始がくるたび、この幸せな瞬間を思い出すことができると思った時に、かえって漠然とした不安が胸をよぎった。