メールマーケティングの虚々実々

casa_kyojin2004-11-20


昨日の日記で、iMac G5を「ちょっとしたキッカケ」で買ってしまった、なんて書いたけれど、その直接の“キッカケ”は、Eメールのダイレクトメールだった。

もっとも、いつ買おうかな……なんて迷いに迷っていて、Apple StoreBTOと、量販店で買うのはどっちが? なんて相当に悩んでいたのはたしか。

──でも「限定」という言葉に消費者は弱い。

「メモリ512MB増設が5,000円、1GBは10,000円──明日まで!」

Mac専門店の老舗からのこんなメールに、ピンポイントでグラッとさせられちゃったわけです。

荷物が届いたとき、一番驚いたのは、荷物の送り状の貼付け方だった。

なんと、伝票を貼った白い紙を、はがせるスプレーのりで箱に貼ってある!
さすがMacな老舗──と納得させられた。

ちなみに、ボンダイブルーiMac初期不良で新品交換になったとき、Appleから届いた箱には“べったり”くっつけられてました。

じつにものすんごく、悲しかったなあ。


(後日追記:2011.10)
このMacな老舗「PLUSYU」は、実店舗でこそMac専門店を続けているけれど、Macのネット通販からは、いつのまにか撤退していたようだ。

シバリがきつくて値引きで大きな競争ができない上に、Apple Storeの通販があそこまで充実してると、やっぱり厳しいんだろうな……。

ところが、こうした「メールマーケティング」というのは、EC業界では「もう終わった」ビジネス手法なんだそうだ。

その理由というのが、なんと今話題の「楽天」だというから、こんな見事なマッチポンプもない。

なんでも、楽天は当初、参加しているショップに対し、ユーザーに送信するメールの数に上限を設定していたという。

ところが、ネット通販も競争が激化。
同じ出店者が楽天にも、ビッダーズにも、Yahhoo! ショッピングにも……とダブって参加するような状況では、一人だけうるさいことを言っているわけにもいかなくなってきた、ということらしい。

その結果──週刊どころか日刊でメールを送信するようなショップが激増。
絵に描いたような「スパム」となってしまったショップからのメールを、ユーザーは開封すらしなくなってしまったというのだ。

となると、担当者名を積極的に出す「親しみやすさ」の演出も、店長を女性(の名前)にして、顔写真を露出する、なんてやり方も、かえって「平田智美」や「大石オブジョイトイ」と同じ
“あざとさ”とさえ受け取られかねない。


じゃあ次にくるのは何かというと──コピーマーケティング、なんだそうだ。

Subjectで興味を持たせて開封させる

興味を引くコピーで目を留めさせる

商品ページに誘導して、買わせる

……なんてところらしい。

メルマガを読んで商品を買う人っていうのは、元から欲しかった、その商品を探していた、なんてことはないんです。
カウンターがどれだけ回っても無意味!
いかに興味を持たせて、どれだけ買わせるか、なんです」

と言われてみると、アダルトサイトな人たちって、さすがに商売が上手い、ってことなのかな。

(後日追記:2011.10)

7年前のネット通販周辺の様子を、ひさしぶりに思い出した。
毎日届くDMの整理、掃除がとにかく忙しかったなあ。

メール──が、コピー──になったところで、あのころはまだまだ呑気なものだったと、つくづく思う。


さて、現在のECは、メールの開封やリンクのクリックどころか、メールをいかに受信してもらうのか、ってハードルが、当時よりもさらに高くなってしまった。
よい商品、気の利いた商品を、顔の見える店、担当者が売ってるというだけじゃ、まだまだ足りない。

Webサイトそのものだけではなく、ブログやFacebooktwitterといったSNSでも情報発信がされている──といった環境は、今や前提条件のひとつではあっても、特別なアドバンテージではなくなってしまった。

そんなふうに、なんだか、どんどん実店舗に近づいてくる気がするのは不思議……。