在日日本人

例によって匿名コメントで中傷される。



以下、愚直にそのコメントに返答しよう。

(プロフィールにある“Strangenessを愛する「在日日本人」”とは)どういう意味なんでしょうか? 訳が分かりません。たぶん在日の人を馬鹿にして面白半分で使ってるんでしょうね。


「どういう意味」かと聞かれたら、言葉通りそのままの意味、としか答え様が無い。


まず「Strangeness」については、客観的主観的事実から来るマイノリティとしての自覚から、僕はコミュニティなり社会全体なりにおけるStrangenessの存在に強いシンパシーを持っている。


次に「在日日本人」という表現だけれど、書き込んでいった人の意識は、おそらくは「在日」イコール在日朝鮮人というところでおしまいになっているのだろう。

この表現は、逐語的には『日本に住んでいるStrangerとしての「日本人」』ということになる。
また、この表現自体、僕がでっちあげたものでもなんでもない。
司馬遼太郎が「在日日本人」と自称していたことの心根まではわからない。しかし、少なくとも「在日の人を馬鹿にして面白半分で使ってる」わけではないことに関しては、僕と同じだっただろう。


僕自身のStrangerという自認や、Strangenessへのシンパシーの依拠について、こと細かに話すことはあえてしない。
傷痍軍人」の白装束やハーモニカのように、それを過剰に「売り」にしてしまうことにこそ嫌悪を感じるからだ。

ともあれ、国籍こそ日本であったとしても、様々な経緯でマイノリティとしての歴史、立場を持っている僕は、在日外国人に対して基本的なシンパシーを持つことはあっても、「馬鹿にして面白半分で」といった認識を持つことはない。

また、それ以前の問題として、言葉として曖昧、不正確で、それでいて恣意的な「在日=在日朝鮮人」といった表現を使うことはありえない。



mixiの僕のプロフィールからアクセスしてきて、匿名コメントを残したこの人は、その後、はてなの「リンク元」とmixiの「足あと」の照合で、自分がmixiの誰なのかが明らかになっていることに気づいたからなのか、mixiの登録を削除してしまった。

せっかくmixiで居合わせたというのに、こんなヘイトコメントを一方的に投げつけられただけで終わってしまい、本当に残念だった。
mixiでメッセージを送ってくれてもよかったし、メールを送ってくれていたら、もっと丁寧に話すこともできたと思う。

■ ENGINE 2013年8月号 (雑誌) / 新潮社