荒川と村主に拍手! 大拍手!

casa_kyojin2006-02-26

イナバウアーというのは本来、前後にずらした両足のつま先を外側に向けたまま滑走するテクニックのことなのだそうで、荒川静香の「イナバウアー」は、正確にはレイバック・イナバウアーというそうです。
新採点方式の直接的な加点項目にはなっていないテクニックをあえて組み入れて(しかも五輪本番では直線滑走から旋回にグレードアップ!)金メダルを穫っちゃった荒川のなんとカッコいいことか!


以前他所で書いた日記に、日本女子フィギュアの代表選考について書いたことがある。

そして妙な同業者からジャーナリズムシップがどうの……と、ネチネチ絡まれてしまった。
僕に絡んできたジャーナリスト氏は、これまで五輪参加競技団体との関係が深かったことなどを上げた上で「選考結果に難癖をつけるのはジャーナリズムじゃない」とか攻撃してきたのだけれど……個人が私人としてSNSに書いた日記にジャーナリズムを求められてもなあ。
そしてその後、国内外の「ジャーナリズム」に、「浅田はJOCについたスポンサーの問題があるので選ばれなかった(伊紙)」「安藤美姫は五輪で4回転を飛べない(渡辺絵美:週刊ポスト)」などなどやられたあげく、ああいう結果になったのはご存知の通り。


確かに、選手を競馬馬に例えて、村主章枝スグリキャップなんて調子にした不謹慎な文章ではあったけれど、全日本選手権の結果を踏まえて、僕は「頭はアラカワ、スグリを筆頭に流す」と書いたんですね。
つまり、日本人代表内での順位は「荒川─村主─第三の選手」となり、そして三人目はアンドウミキティじゃダメでしょ、ナカノファイナル(中野友加里)でしょ! とやったわけです。
アラカワ─スグリ─ナカノなら、三連単だってイケます、と(為念、日本代表内順位)
アサダロリータは出走条件のことがあるからしかたない。でも、ここはともかくナカノファイナルだろうと。

僕は浅田真央が五輪に行けなかったことは単にルールの問題だと思っている。
GPファイナルで彼女が優勝したときに「世界一の人が五輪に行けないのはおかしい」と騒ぎ立てた人は、贔屓の引き倒しで「無理を通せばナントヤラ」になっているだけだろう。
でも、直前の全日本選手権で6位だった選手が代表に選ばれるのはどう考えてもおかしい。
なるほど、昨年は実績があった。でも、それこそスキーのアルペン競技のシード(出走順)が今季の実績で行われているように、シビアな競技の世界では去年のことなんて遥かな過去なんじゃないか?


SPの安藤の全身黒づくめの衣装を見たときに、引き締め効果ねえ……と思ってたら、フジテレビではデザインしたワダエミの「スリムに見えるように」みたいな意味のコメントが紹介されちゃうんだからスゴい。
中野も黒づくめ衣装を着たことあるけど、彼女の柔らかなラインと相まって、コンテンポラリーダンスの衣装のようにシャープにもスマートにも見えたものだ(つまりは単なるデブ隠しじゃなかった)

そして、フジテレビ氏は「安藤選手、じつはウエストを7センチもおとして五輪本番に臨んでるんです!」とも言っちゃうわけですよ。

そんなに落とせるだけあったことが問題なんじゃないか?
そしてフリー直前の公式練習で4回転の成功率は1/7。あれはただの丁半バクチです。


安藤は公式記者会見で父親についての質問をされて泣いて会見中止にしたあたりがまた恥ずかしい。
だって、形見の指輪を常に身に着けてたりしたら記者としては聞きますよ、聞かなきゃならない(それが本質としても、商品性としても「ジャーナリズム」というものです) 。サーシャ・コーエンなんてもっとプライベートで、もっとグッサリくるような質問にもちゃんと受け答えしてるっていうのに(もちろんこれはプロフェッショナリズム)

僕の事前予想は「荒川銅メダル、村主6位、安藤10位前後」だった。
つまり、荒川と村主に関しては幸運な形で裏切られたことになる。金メダルと4位という堂々の結果には拍手、大拍手! 喝采、大喝采!! どんな言葉でも追いつかない快挙だ。
そして……安藤は想像を超えて悪かった。

もし第三の代表が安藤ではなく、例えば中野だったとして、村主以上の順位になったとはとても思えない。
しかし、15位以下に沈んだとは、それ以上に思えない。


それこそ、どこかのジャーナリスト氏が「全日本選手権で中野は5位、上に2位の恩田美栄がいるではないか」と言葉尻をつかまえてくるかもしれない。
それについては、全日本選手権の中野の採点は、(代表)選考ポイントを低めるために過小評価されていた、という指摘が、「ジャーナリズム」においてビデオを参照した上で為されていたことを強調しておこう。