戦勝国銀行

casa_kyojin2007-10-22


土曜の夜のこと。

僕はアメリカ人の友人と食事の約束をしていて、東京駅で待ち合わせをしてました。
ほどなく現れた彼は、手元にいくばくかでも現金を欲しがってました。金曜日、銀行で現金を引き出しそびれてたんですね。

理由1:日曜日の午前中には帰国するので、現金を手元に用意するとしたら、タイミングが今しかない。

理由2:日本ではクレジットカードだけではどうにも不便だ(そしていつも恭仁亭は、のんべい横丁やゴールデン街と、そういう「不便」なところにばかり連れて行く)

ところが、土曜の夜はサービス時間外なのか、どのATMも使えないわけです。


さて困った……という時に彼は「JPMorgan」の看板を見つけるわけですよ。JPモルガン・チェース銀行の東京支店があったんだ、ラッキー! と。

ここから始まった鼻白むスペクタクルは、【抗議の手紙】の通り。



企業でも個人商店でも、その総体や担当者個人に理不尽な扱いを受けた時には、抗議の手紙を書くことにしてます。

もちろん僕だって、そんな面倒なことはしたくない。
でも、電話だと、どれだけ深刻なトラブルでも無視されることが多いので、かえって消耗してしまうことになるのが普通なので、背に腹は変え難し。

例えば、留守の時に配達された宅急便が、たった三日目に差出人に返送されてしまったことがあるんだけど、担当営業所に抗議してもダメ。管轄のサービスセンターに抗議してもダメ。
どうしてそんなことになったのかを説明してもらい、謝罪と補償を得られたのは、ヤマト運輸の本社に電話をしてからなんだもの。



もちろん、今回はその時のように経済的損失を含む実害を被ったわけではない。
だけど、あまりのヒドさにペンをとることにした。

かいつまんで言うと、JPモルガン東京支店のセキュリティたちの杓子定規さに憤慨した、という話。

はるばるアメリカからやって来て、困っている顧客に対し「自分たちはJPモルガンのスタッフじゃないし、単なるセキュリティだから何も知らない」とあくまでも主張するのなら、胸のピカピカしたJPMorganってネームプレートは外しておくべきだろう。

それに彼らの言動は、職務としても、一個人としても、ジャケットを着てネクタイをしている人に似つかわしいものではなかった。


彼らのような「セキュリティ」なら、テロリストがやって来た時、真っ先に撃ち殺されたとしても、悲しい気持ちにはなれないかもしれない。



ダイ・ハード」のナカトミプラザ占拠事件のテロリスト、カール(演じたのはアレクサンダー・ゴドノフ)は、ビルのエントランスで「セキュリティ」を射殺。
それがこの事件最初の犠牲者だった。

そして彼自身は、この事件最後の──(以下ネタバレにつきゴニョゴニョ)


■ダイ・ハード

ちなみにアレクサンダー・ゴドノフは元バレエダンサー。
リーダーのハンス役のアラン・リックマンは、元シェイクスピア俳優。
なんとも格調の高いテロリストだったわけですな。