「ショート・カッツ」★4/5
監督のロバート・アルトマンと、原作のレイモンド・カーバーが好きなら、もちろん避けては通れない映画。
ところがところが、カーバー世界をアルトマンの筆で……なんて素直な映画にはもちろんなっていない。
むしろカーバーの原作そのものの空気を期待していたら、ガッカリさせられた人もいるかもしれない。
でもしかたないですよそれは。だって、アルトマンだもの。
でも、あれだけ多くのストーリーをきっちり(決して精緻ではないにしても)と編み上げたのは見事だとは思いませんか?
しかし、ラストの大団円ならぬカタストロフィーは、ドリフ大爆笑?
彼の地との文化や感覚のギャップを感じることとなった。日本映画であの規模の地震が起こっても、あのような狂言回し的役割はできなかったと思う。
日本における地震は、ドリフの金たらい的日常か、さもなくば震災級の大災害になってしまう。そこにはもちろん“非日常”としてのニュアンスは無い。
キャストで気になったのは、トム・ウェイツ。
壊れっぷりがヨイ味出してました。
あの夫婦のダンスは、「髪結いの亭主」のクネクネダンスと同じようなペーソスが漂っていて、やっぱり哀しい。
日本では過去にビデオしか出ていなかったこの映画、やっと来月DVDが発売になります。