「深夜食堂」とゴールデン街
あのマンガの舞台は「ゴールデン街」だったんだ──ちょっと驚いていたところです。
■新宿・花園ゴールデン街Tシャツが発売のお知らせ(via mixi)
明後日の第6回新宿花園ゴールデン街フリーマーケット
で新宿・花園ゴールデン街Tシャツが販売されます。
(その後も、各お店で販売されるようです)小学館ビッグコミックオリジナルで大人気
「深夜食堂」安倍夜郎さんのイラストが入ったシブイデザインです。Tシャツの価格はなんと1,500円!!!
たしかにホステスやストリッパー、劇団員や警察官、ボクサーにヤクザ……といった人物的なディテールは“いかにも”なんだけど、それでもやっぱり“なんだかなあ”と。
まず、店が広すぎる。
それに、ゴールデン街ってところは、あんなにほのぼのともしてなければ、やさしくもありません。
もちろん楽しく飲める場ではあるけれど、いろんな意味でキビしい場所です。
──元カノが暴れたせいで出入り禁止の店がいくつかできちゃったから言うわけじゃないけどね。
ともあれ、僕の勝手なイメージでは、同じ新宿の厚生年金会館の裏手、新宿富久町あたりを想像してました。
東京医大の学生を相手にしてるような、ちっちゃな商店街と、安くて美味しい居酒屋なんかが並んでます。
週刊誌の記者だった頃、ある事件の取材でそのへんの界隈をウロウロしたことがあります。
ある俳優にケガをさせられた女優のタマゴが住んでいたのは、いまどき三国人でも住んでないような、古くて小さいアパートでした。
このTシャツ。ロゴは黒田征太郎さんの書き文字なのかな。
東郷健さんのお店に絵が飾ってあったりと、何かとゴールデン街のイメージがある黒田さんだけれど、僕がたまたまご一緒させてもらったのは、銀座や六本木でした。
それこそ、富久町あたりをウロウロしていたのと同じ頃の話だったりします。
NYから絵手紙をいただいたりしたこともあったのに、返事を差し上げることも無く無礼をしてしまったのが申し訳なくてしかたがありません。
あのころの僕は、手紙に返事を書くだなんてあたりまえのことに対してですら、どうにも腰が引けてしまっていたのです。
いきがってたわけでも、めんどくさがっていたわけでもありません。
多分──自分が、自分がやっていることが恥ずかしくてしかたが無かったのでしょう。
どうしようもないくらいに、自信が持てなくなっていたのだと思います。
僕は週刊誌の記者になんて向いていなかったんだなあ──今さらそんなことを思ったりすると、なおさら恥ずかしいのですけれど。
でも、そんな恥ずかしかった頃の、数少ないうれしい出来事の一つが、黒田さんに向日葵の絵を描いていただいたことでした。
充分にお礼を言えなかったことが本当に心残りです。
本当にありがとうございました。