さらば愛しきmixi

casa_kyojin2009-12-20


──っていまはそんなに愛しくもないけど。



ここのところ、軸足だったmixiから、荷重が確実にTwitterに移動してます。



今にして思うと、僕にとってのmixiは、本当に良きコミュニケーションツールでした。

サービス開始された5年くらい前、ユーザはせいぜい数万人。
周りを見回せば、文字とおり“友達の友達”がたくさんいる。

「じゃあ、◯◯さんって知ってる?」
なんてのが、本当に挨拶がわりになるくらいでした。


うれしいことが、たくさんありました。

同級生を何人も見つけたし、昔の仕事仲間も見つけました。
彼らとは、今でもいい友達づきあいができてます。


でも、悲しいこともたくさんありました。


民族差別や性差別を咎めたら殴られたり──


普通に交わしたはずのキスで“セクハラ”と騒ぎ立てられたり──


女子とキャッチボールしただけで“ストーカー”と言われたり──


往々にして、騒ぎたてる人の声は大きくて、こちらが音無しくしていると、一層大声を上げられるのがいつものことでした。


こんなこともありました──

あるお店のコミュニティの管理人をしていたときのことです。
その店をクビになった従業員が、なぜか僕を逆恨みして、誹謗中傷を吹聴して回ったのです(解雇の理由は、営業中にパチスロに行ったりしてたからなんですが)

そしたら、その元従業員のマイミクが、僕の立ち回り先までわざわざやって来て、僕を罵倒していったりしたのだから呆れました。
もっとも、その“マイミクさん”も、自分のプロフィールで超有名劇団の有力スタッフを“自称”するよう怪しい人でしたが。



そして極めつけは、僕の内妻といつのまにかつきあっていた、僕のかつてのマイミクです(その後彼らは結婚しましたが)

これまた僕の立ち回り先で罵詈雑言をバラまいていくものだから、出禁の店がずいぶん増えました。随分強く出たなあ……民事で訴えられたら負けるのはそっちだっていうのに。



ともあれ、mixiは大きくなりすぎたんでしょう。

閉じられた安全なコミュニティだったはずのものが、あらゆる欲望を飲み込み、膨張して、いつのまにかカオスどころかブラックホールにさえなってしまった。

昔はオフ会系コミュニティなんてのもたくさんあったけれど、今ではもう無理でしょう。
いろんな意味で、危なすぎる。

昔出入りしていたあるコミュニティでは、アクティブにオフ会に参加している既婚女性が全員(!)男性メンバーと不倫関係にあった、なんてこともありました。
その上、男も女も兄弟姉妹だらけなんだからもう滅茶苦茶です。


そんなふうに、mixi的世界の一部は、そういう肉食獣(っていうかケダモノ)が、人間関係的な“焼畑農業”を繰り返したあげく、焦土しか残らない地平にまで引きずって行ってしまったわけです。

オンオフ問わず、アクティブなコミュニティがだんだんと減っていったのも、そのへんと無関係ではないでしょう。

例えば昔は、東京、とか関東、なんて広い枠組みでオフ会をどうこう、っていうコミュニティが普通にありました。
でもそれが今は、◯◯線沿線どころか、◯◯駅みたいな狭い範囲でコミュが動いてたりする。

人間関係が、友達の輪が広がっていくはずのSNSなのに、どんどんダウンサイジングが進んで、インナーサークル化してるわけです。

これはそれこそ宇宙論じゃないけど、膨張の後の収縮が始まったんじゃないでしょうか。
それはフェイルセーフが働いたのかもしれないけれど、その方向性は閉塞感の増加と切り離せません。


僕は多分、mixiに期待しすぎていたのだと思います。
もっと前の段階で、距離をおくなり、潔く見切りをつけておけばよかったのです。

とどのつまり、僕は頭が悪すぎました。
イノセンス過ぎるし、ナイーヴ過ぎる。


Twitterでは、いろんなことでなんだかホッとしています。

儀礼的なマイミク申請が来ることも無ければ、こちらの申請が上っ面で承認されることもありません。
誰かれ構わずダイレクトメッセージが届くことは無いし、プレイすることが無いアプリの招待状が舞い込むことだってありません。

それに、コミュニティの多くに期待していたことは情報収集でしたが、Twitterならその大半がTLに沿ってリアルタイムに自ずと飛び込んできます。

なにしろ、僕がmixiに感じていた閉塞感のほとんどは、Twitterでは構造的に発生することがありません。


今度はもう少し、上手に立ち回れたらと思います。
よかったらまた、Twitterでも仲良くしてやってください。


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女性の上司メレディスデミ・ムーア)の“逆セクハラ”を、年上の男性部下トム(マイケル・ダグラス)は拒んだが、セクハラで提訴されたのは、トムの方だった。


──なんてお話のわけですが、お前にもワキの甘さはあっただろう! と、激しく自戒しているワタクシだったのでした。