あなたの魂、おいくらですか?

casa_kyojin2012-04-25


ブログで新刊コミックをレビューするのなら「コンスタントに書く」「的確にホメる」ことが大事だ。
すると、コミック系、レビュー系のまとめブログにリンクされる機会が増える。
作者本人や、担当編集のエゴサーチに捕捉され、Twitterで言及されるチャンスがあるかもしれない。
となると当然アクセスは増えるし、アフィリエイトからの収入もアップ──なんて仕組みで商売をしている半素人さんは、本当に多い。

もちろんそれは、コミックに限らず、映画でも、ワインでも、なんでもだ。

だけど、そんなふうに商業メディアとおなじようなことをやって──人は楽しいのだろうか。


書けと言われたら注文通りのことを書くのがプロ、商売だけど、素人さんがそこまでできるモチベーションって何?
もっとも、それだけアフィリエイト収入が大きい、ということでもあるのだろう。

素人さんがステルスマーケティング(=ステマ)としての提灯ブログを書くとき、アフィリエイトでどのくらいの金額が入ってくるなら、ステマ職人としてのモチベーションを維持できるのだろう。

ある半素人さんの漫画レビューのブログ。アクセス数は、僕のブログのざっと10倍はある。
地雷(アフィリエイト)へのリンクもたくさん張ってある。
──アクセスに比例して、収入も10倍! というなら……やる人は多いかもね。

あるコミックスは、一冊あたりの印税より、アフィリエイトで一冊売った人の収入の方が大きい──なんて話を聞いたことがある。
アフィリエイトって、ある意味そこまで大きな商売になっちゃってるわけです。
でも、そのお金を誰が出してる(搾取されてる)のかってことを、ちょっと考えてみてほしい。

感じたことを、心のままに書きました。共感してくれたり、FacebookTwitterで拡散してくれてありがとう!──と、心から言えて、それが小さくない収入になるというなら、確かに幸せだろう。
しかし、そこに小遣い稼ぎどころではない桁の金額が動くとなれば、世の中そんなに甘くはない。

そこまで言うならアンタもやりなさいよ。プロなんでしょ? ホメてアクセス稼いで、アフィリエイトで稼げばいいじゃない──ごもっとも。
酷評してるブログからリンクに飛んで、買い物する人なんて、いるわけがない。
でも、名前を出して文章を書くプライドっていうのは、そんな薄っぺらいものじゃありません。

あとね、素直にそのままホメるのって、なんだか恥ずかしいんだよ。
それに「クライマックスでホロっときました」なんてオッサンが書いても面白くないでしょう。そんなの、誰も喜ばないですよ。

街外れの狂人には、王様は裸だ! なんて憎まれ口を叩くくらいが関の山。
新作映画で素直に感動しても、なかなかそうとは言えないものなんだよね────おしまい。


■ももへの手紙(角川文庫)

雅号の恭仁亭は、つまり街外れの狂人、ということ。


アフィリエイトのビジネスモデルとしての実例を少しばかり紹介すると──僕もその道のプロではないので、ハッキリしたことは言えないけれど、ホメるだけで週一くらいの更新頻度でも、軽く家賃分くらいは稼げると思います(このくらいにボカしとくけど、地方のワンルームじゃないです)

もっと熱心に取り組むとして──百万はさすがにすごいなあと思うけれど、一日中HTMLと格闘する覚悟があるなら、数十万は充分可能でしょう。