差別者再び

casa_kyojin2004-06-08


オレンジデイズ」はどうもパッとしないドラマだ。

キャスティングにも魅力をイマイチ感じられなかったけど、話の展開から演出手法まで、どうにもダメダメ感が漂う。

まず第一に、障害や手話といったテーマが、北川悦吏子流の焼き直しだ。
また、細かいエピソードもデジャブだらけ。
あげたらキリがないけれど、ピアノコンクールで疎遠になるからどうとか、ライバルが年上の男だとか、病名は絶対に出てこないとか……。

そして北川は、例によってやらかした。
というのは、今週のヒロインの母のセリフだ。

「私と普通に話していたあの子はどこへいったの?」

またまた「普通」を振り回しますか、とウンザリした(拙blog「PCの中にある差別 3」参照)
北川にとっての「障害」というものは、たしかにメシの種ではあるにしても、あくまでも「異常」で「アブ・ノーマル」なもの、ということなんだろう。

もっとも、ヒロインにとってはあの母親こそが抑圧者であり差別者だった、という展開になるというのなら、鋭く切り込んだ伏線にはなるかもしれない──とは思えるけれど。


それにしても、手話につく字幕には首をひねることが多い。

僕のレベルの逐語訳では「誤訳」と受け取れるものがよく出てくるのだけれど、ネイティブの人たちには意訳だとか、行間が補える表現が使われているのだろうか。

それに、ヒロインの病名だとか、聴覚の状態がわからなかいからなんとも言えないにしても、彼女が一切口話を使わないことには、違和感も感じている。

もっとも、それもこれも演出上の都合なのかもしれないけれど。


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