戦国自衛隊1549 ★☆☆☆☆(2005/日)

ブログ更新!【荻窪 恭仁亭】[movie]


わざわざ銀座にまで行くんじゃなかった……。


フィラデルフィア・エクスペリメント」で始まって、順番にいろんな映画をツマミ食いして、「ガメラ」で終わる映画的キメラ、フランケンシュタイン

「空想戦記モノ」の痛快さもないダラダラした展開で、エンディングには「ファイナル・カウントダウン」のような驚きの仕掛けも、引きも余韻も何も無し。

宇宙戦艦ヤマト」の演出の上っ面だけササッとなで回したり、「劇場版パトレイバー2」をゴソッと臆面も無くパクっちゃうんだから、福井晴敏という人は無神経か破廉恥のどっちかなんだろう(多分両方)

角川から出てるワケワカラン装丁の原作? ノベライゼーション? もまた、噴飯モノ(上画像)
装丁には妙に凝っているけれど、二百数十ページと薄く、何より版型がヨコと実に意味不明。
読みにくく、そして1,785円と高い!

まあメディアミックスの拡大再生産として、じつに往時の角川映画の路線を踏襲しようとしたんだろうけれど、なんていうか、豪快に空振りしているように見える。


ともあれ、福井晴敏という人は、物語の組み立ては上手なんだろうとは思った。
しかし、先人や歴史に対するリスペクトが、どうにも感じられない。

この「先人」というのは、もちろん半村良の原作や、それを映画化した「戦国自衛隊」のことだし、そして、織田信長斎藤道三といった登場人物や、その時代のことだ。
そうした来し方に対して敬意を払うこともできない人間が、過去だの未来だのを語ってしまえば、それは本末転倒だろう。

となると、その構造自体がタイムパラドックスに思えてくる。
でも、なかなか虚数空間には吸い込まれてくれそうもないけれど……。


■戦国自衛隊1549

この映画の唯一の見所を思い出した!

ラストにやってくる援軍の中にいる“武田信玄”っぽい騎馬武者!
戦国時代モノで一番安っぽい信玄じゃなかったかなあ……失笑。