映画「ニュー・ワールド」★2/5

casa_kyojin2006-05-02

昨日は「映画の日」ということで、イマイチ興味を引く映画がなかったのだけれど1,000円ならいいや、と「ニュー・ワールド」を見てきた。
とはいえ、先日「寝ずの番」を観たときに予告編がちょっと気になっていた作品ではあった。

僕は世界史の勉強というものを凡そしたことがないので、「新大陸」の歴史には徹底的に弱いのだけれど、映画「ラスト・オブ・モヒカン」がなんだかとても気に入っていたので、「大西部」になる以前の新大陸モノにはちょっと興味があった。
それに、ディズニーの「ポカホンタス」も見てなかったので、それがどんな話なのかもちょっとは気になっていた。


結論から言うと、よほどコリン・ファレルクリスチャン・ベールのファンでもないかぎり辛い二時間超だと思う。
細々としたことを言う前に、歴史モノの映画としては一番失敗しやすいパターンを踏襲してしまっているのがイタイ……とにかく編年体でしか進まない、という退屈で難しいやり方を。
あの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も国内公開で大失敗した「編年体」をこれもまたやっちゃってるわけです。

というわけで、ドラマはないです。
じゃあ歴史はあるのかっていうと……いわゆる「ポカホンタス神話」に沿って進むので、ディズニーの甘ったるいアレンジであろうとなんだろうとポカホンタスとジョン・スミスのエピソード(とされる話)を知っている人には退屈でしょう(僕はそのへんを全く知らなかったので、「バットマンはいつ出てくるんだ!」とジリジリしながら時間をつぶせたけど)
歴史も、愛も、自然も、家族も……全部うすっぺらいです。


あとは「オープニングとエンディングに使われてる曲(メインテーマ?)が何かの曲に似てるなあ」ってことと、「クオリアンカ・キルヒャーポカホンタス)は昔のパッとしなかったころの一色紗英に似てるなあ」とか思いながら時間をつぶすくらいしかできなかった。
それから、ビクトリア朝っていうか、女性の下着の実力もよくわかりました。


考えてみれば、このテレンス・マリック監督は「シン・レッド・ライン」のときもそんな調子だった。
ちょっと興味深そうな歴史の題材をとりあげたように見せておいて、表面をヘニャヘニャっとなぞっただけでオシマイ。
結局そこには新解釈とか再検証みたいなチャレンジは皆無。ちょっと手あかのついてない(でもそれなりに知られている)題材をレンジでチンして温めなおしてハイ出来上がり、って実はお手軽な映画だったと思う(そのくせ上映時間だけはムダに長いとこまでおんなじ)
平日の午後、わざわざこの映画に足を運んだ観客が20人弱ってところで、二人も大いびきかいて寝てたっていうのは、つまりそういうことなんだろうな、ってとこかもしれない。

アメリカ人にとってのキリスト教とか、カトリックよりもカトリックでいたかったイギリス正教会とか、そのへんのことはまあ色々とうかがえはしたけれど、この映画でどうこういうのは場違いだろうな、って思うのはそのへん。


追記:思い出した、「帝都物語」のBGMだ(同じような曲調と楽器使いの曲があったハズ)
もっとも、どっちもクラシックの古典の「ナントカ風」なだけかもしれないけれど。