真っ赤な「反共」のややこしさ

casa_kyojin2007-02-13


舞台「何日君再来(イツノヒカキミカエル)」の紹介記事が新聞に載っていた(末尾に引用)


まあ内容についてはトンデモ系なんだろうし、騒ぐようなものではないでしょう。

でも驚いちゃったのが演出の岡村俊一

この人、痛快時代劇の「あずみ」を舞台化したときに、真っ赤っかの「階級闘争劇」に仕立て上げちゃった「骨のある」人なんです。

真っ赤っかな人が反共作品? って図式はちょっとわかりにくいなあ、と。


原作「あずみ」を描いている小山ゆうその人が、美少女がバッタバッタと敵をなぎ倒すアクションを描きたかった、と公言しているこの作品。もちろん原作はそういうトーンです(だから入浴シーンとかも結構多い)

それが「俺たちの屍を乗り越えていけえ〜〜〜」みたいに、暗黒舞踏みたいな話になっちゃってたんだもの。

徳川=権力=悪。豊臣=マイノリティ=善、って図式にしてしまえば、そりゃわかりやすいけど、いじりまわしすぎだろうと。
そもそも、原作ではそんな単純なカリカチュアライズはしていない(マンガなのに!)


なんでこんなことに……とか思って調べたら、この人、ジャニーズ人脈だけじゃなくって、つかこうへいとも密接な関係のある人だった。
それで黒木メイサ、それで真っ赤っか……と激しく納得していたわけです。


そんな人が反共っていうか反中共作品を手がけるっていうのは??? とか思っちゃったんだけど、朝鮮は朝鮮で色々あるのかなあ、と考えさせられてるところです。

この舞台。またまた黒木メイサが出演するように、岡村俊一─つかこうへいラインなのはもちろんのこと、「パッチギ!」や「フラガール」を書いている羽原大介が脚本を担当というように、徹底的に朝鮮系の作品なことはわかってます。

でも、反共、反中共

ってことは「朝鮮的には右」ってラインがあるのかなあ、と。

日本をやっつけたいのと同じように、中共に対しては危機感がある、と。
北朝鮮に融和的な政策の行き着くところには中共に飲み込まれる朝鮮半島、って政治的観測もあるそうですから、朝鮮の中でも中共に対するネガティブな感情があるのかな、と。

でも、それを日本でやる意味ってあるんだろうか?

……あるからやるんだろうなあ。


それにしても黒木メイサ
つかこうへいには気に入られるし、ジャニーズには気に入られるしで、なんだかものすんごいことになってますね。

いやもう、生舞台で見た彼女はキレイでした、もうものすんごく!





テレサ・テンさんは台湾の秘密兵器?

95年に亡くなった歌手テレサ・テンさんは台湾が中国かく乱に放った秘密兵器だったというフィクション舞台「何日君再来(イツノヒカキミカエル)」が5月に東京・日生劇場で上演されることが11日、分かった。筧利夫(44)がテレサさんを日本に連れて来る音楽プロデューサー役で日生劇場初主演し、黒木メイサ(18)が中国の男装スパイ、テレサに中国出身の歌手en-Ray(エンレイ)が扮(ふん)する。
台湾生まれのテレサさんは「つぐない」「時の流れに身をまかせ」のヒット曲で日本、台湾だけでなく、当時発売禁止となっていた中国でも人気があり「アジアの歌姫」と呼ばれた。中国の民主化運動支援に熱心で、89年の天安門事件の際は香港の抗議集会にも参加している。95年にタイで死去した時も暗殺説が流れた。

今回は、脚本を映画「パッチギ!」「フラガール」の羽原大介氏、演出を舞台「あずみ」などの岡村俊一氏が担当。テレサさんは歌声で中国人民の心をつかみ、意識を台湾に向けさせることを目的とした「秘密兵器」との大胆な発想をもとに、中国公安部や台湾マフィアからテレサさんを守る音楽プロデューサーや女スパイ、テレサさんの替え玉となる少女らが入り乱れ、天安門事件の場面も登場するアクション満載の舞台となる。

「時の流れ‐」「つぐない」「別れの予感」「愛人」や中国語の「何日君再来」などテレサさんのヒット曲も流れる予定。岡村氏は「テレサの残した曲を通して、混迷するアジアの過去と現在をスペクタクルに描きたい」。共演は彩輝なお、ライセンス藤原一裕ら。[2007年2月12日7時16分 日刊スポーツ]