映画「魔女の宅急便」★2/5

casa_kyojin2007-07-25


少女が縦横無尽に活躍、ということでロリータ趣味云々と言われることもあったが、キキは年齢的には少女性愛の範疇を逸脱していそうなこともあって、それほどではないかも……という印象もある。



しかし、宮崎作品のお家芸、「少女(幼女)以外の女性の不在」「保護者以外の成人男性の不在」といった要素は濃くなっていることもあり、やはりこの世界観はなんらかの「性的未成熟」を抱えているのではないか、という推察は可能かもしれない。

それよりもなによりも、この作品はキキがジジと会話ができなくなるラスト、これにトドメ。宮崎駿は、物語の語り手はとにかく少女(幼女)でなければいけないとでもいうかのように、ティーンエイジャーの領域に一歩踏み込んだだけの主人公を徹底的に突き放す。

少女が思春期に入ったことを表現するために、あれだけ仲の良かったパートナーのジジとコミュニケーション不全にまでさせてしまうのだから、彼の女性に対する怨念は根深い。


たしかに、わかる。ある種の共感や追体験もできる。でも……様々な「未成熟」の存在を類推推察するようになってしまった今では、その酷薄さの存在がどうしてもひっかかってしまうのだ。



タイトルの英字に注目。
コレは日本語の他、英語、イタリア語とスペイン語の音声と字幕が収録されているDVD。

イタリア語のトンボは、やっぱり必要以上にナンパに見えちゃうんだろうか。