さよなら「ハチミツとクローバー」

casa_kyojin2008-01-08


脚本家の仕事には素直に感心した。
あの原作をあそこまで再構築できるのはすごい。


漫画だとか作劇手法みたいなことに関しては、正直半素人レベルだった羽海野チカの、ガチャガチャと乱雑でいて、だからこそ幼稚園のオモチャ箱みたいで箱庭のようにファンシーな世界を、あそこまで整然とアメリカの学園ドラマ(笑い声のSEを後から被せてるようなやつ)のように、プログラマブルに理路整然と整理した仕事には素直に感心した(本当に、本当に心の底から褒めてます)


そして僕はそういうドラマが大嫌いだ。
もう見ません。



あと、はぐの純粋性みたいなものが、単なるアホの子みたいに演出されているのは見苦しかった。


これが脚本の金子茂樹 (「危険なアネキ」「プロポーズ大作戦」)の仕事なのか、演出の谷村政樹(「ライフ」)や松山博昭(「ライアーゲーム」)の仕事なのかはわからないし、成海璃子の持ち味なのか限界なのかはわからないけれど、コレと映画版の蒼井優を比べるのは酷だ。
中学校を卒業したばかりの「女優」には多くを期待できるわけがない。だからこそのドラマ版オリジナルの「はぐ像」の構築なのだろう。
つまりここだけでも、アニメ版や劇場版に対してのようには期待できないのだ。


本来のはぐの純粋性っていうのは、清純さでもなんでもなくって、子供がトンボの羽をむしったり、花壇の花を全部首無し死体にしてしまうようなラジカルさだろう。
だって彼女はあそこまでハイレベルな芸術家なのだ。
人に優しかったり、地球に優しいようなゲージツ家なんてものは、この世に存在しない(そして実際、はぐがどれだけ酷薄な人間かは、原作を最後まで読んだ人なら目の当たりにしている)


そして、女優という仕事もまた、そうした清濁併せ持った存在なのは言うまでもない。

そういう意味でも、わけわからんオヤジが自慢たらたらで書いてる不倫ブログに、しっかりとそれとわかるように登場してるだけではなく、写真まで掲載させてるような蒼井優の方が、名実共に「花本はぐみ」という不世出のキャラクターにしっくりきていたのだと思う。


■ハチミツとクローバー 第7巻 (通常版:DVD)

僕が大好きなエピソード、山崎くんの「おしゃれチャンプ」は、アニメのDVDだと7巻に収録されています。
ドラマ版には山崎くんは登場するのか!? これはちょっと気になる。

そして、あの野宮さんのキャスティングはハズしてないか?(修ちゃんほどは……ましてや理花さんほどはヒドくないですが)