アンリ・シャルパンティエ 芦屋本店 ★★★☆☆

casa_kyojin2012-02-21


今や東京のデパ地下でも、すっかりお馴染みになった“神戸のアンリ”ことアンリ・シャルパンティエ

銀座のサロンは建物や内装の意匠のユニークさで知られるが、特に地下フロアでの飲食については、良い印象を持っていない。

スタッフは慇懃ではあってもつっけんどん。
テーブルは狭く、紅茶は味も香りもスカスカな色水──これでは評価のしようが無い([食べログ] アンリ・シャルパンティエ 銀座本店 ★☆☆☆☆

しかし、芦屋の本店ではそこそこでしたよ──というお話。


まず、大きな窓で採光の良い建物は、とても明るく、広々としているのが印象的だった(銀座は元々銀行だった建物を利用しているだけに、重厚ではあっても開放感には乏しい)

接客も自然でアットホームな感じで、素直に好感が持てる(銀座は、コスチュームと固い空気だけをホテルやクラブの黒服から借りてきたような人が多く、ちょっとくつろぎにくい)

イートインのスペースは、さほど広くないながらもそれなりに余裕があり、銀座のようにテーブルの上が器やシルバーで埋め尽くされたり、隣席のテーブルを動かしてもらわないと身動きが取れない、といった窮屈さは無い。


とはいえ──華麗で繊細なデザインだが、味わいが古典的に凡庸なケーキや、美味しいにしても、特筆する要素に欠けるクレープシュゼット(画像)──といった印象にも変化は無かった。

ただ、銀座ではなんとも中途半端な温度だったコーヒーの温度が、芦屋では真っ当なものだったことは書いておこう。
この後、銀座の地下の秘密基地で、紅茶を頼んだつもりが“ぬるい色水”を出されてしまうというショックな出来事に遭遇するのだけれど、もしこのとき、紅茶をたのんでいたら、どんなものが出てきたのだろうか。


ともあれ、この店に出入りするマダムたちの多さを目の当たりにして、いわば“芦屋の社会通貨”ともなっている焼き菓子のポテンシャルを、再発見した。

しかし──それだけならデパ地下のショップだけで充分、ということでもある。

かのミシュランガイドが、足を運ぶ価値があるかどうかで星をつけることに敬意を表すなら、この店に特筆する価値はないだろう。

ただし、焼き菓子に関しては、デパ地下や楽天でも調達できる“社会通貨”として、高いポテンシャルがあること。
そして、高いコストパフォーマンスを兼ね備えていることは、変わらず高く評価している。


■アンリ・シャルパンティエ フィナンシェ 3コ入り

こんなのをヒョイっとお土産とかに思っていけたら、楽しそうだな、と思ったりとか。